ん〜と…2年前、2015年2月1日にここに書いたが、
立川志の輔は毎年正月に渋谷パルコで1か月連続公演をやってた。
1日500人、22日かけて約1万人のお客に毎日同じ落語を演る
伝説の「志の輔らくごin PARCO」
これが超プラチナチケットで、5,500円のチケットは
ネットオークションで1万円以上に跳ね上がる。
昨年は高すぎて手が出ず行けなかった…(涙
毎度おなじみの志の輔
ところが渋谷パルコが建て替えで閉館となり
11年間にわたって正月恒例だった志の輔らくごは
休演(終演?)となってしまったのだ。う〜む残念。
がしかし、志の輔はおとなしく引き下がらなかった。
毎年お客さまに渋谷にお越しいただいていたんだから、
今年は自分が全国にお邪魔しよう…と、北海道から沖縄まで
全国12都市で正月公演をやることにしたのだった。
題して「志の輔らくごin NIPPON」。…でかい。
なんとしてもチケット争奪戦に参入せねば…と意気込んだが
東京での開催はなく、最寄りの公演は横浜・関内ホール。
戸惑いながらも競争を勝ち抜き、正規チケットをゲ〜〜ット!!
嵐・X-JAPAN・吉田拓郎・立川志の輔…
ネットオークションでの高値売買が社会問題化しているためか
志の輔はチケットの発券開始を公演日の2週間前に設定した。
いろいろ考えるものだ。
そんな紆余曲折があって、ネットではなんと!原価を下回るものも。
定価5000円のチケットが2枚で7,050円!…とか
買手がつかず流れるチケットも続出。
オークションでひと儲けを目論んだ連中は大打撃だったようだ。
それにしても平日に関内かぁ…である。
神田から京浜東北線で45分…なのである。
渋谷でやれば2倍以上だが、横浜なら原価割れ。複雑。
関内ホールエントランス
そんな経緯を乗り越え、万難を排し、行ってきました!
関内…初めて降りる駅かも。完全にアウェイだ…。
駅からほぼ5分で関内ホール。ほぼ1000人収容の古いホール。
ロビーではお約束の志の輔グッズ販売中。
ファンはあれこれ買っていく…
18:30開演。照明を落として寄せ太鼓をたっぷり聞かせる。
開演前でも撮影は気がひける
志の輔、正月ならではの紋付袴で登場。一席目は「質屋暦」。
今年閏秒だったの知ってますか?
元日の7:59:59秒の次に60秒が入って8:00:01秒に…というまくらから
明治5年に太陰暦から太陽歴に切り替わった際の混乱を題材にした噺。
ちょっと説明すると、太陰暦は月の満ち欠け2回で1か月。
これが29日くらい。3年経つとちょうど1か月分くらいヅレてくるので、
閏月を1か月分足して調整してた。
明治5年に政府は、日本も西洋にならって太陽歴にしよう!となった。
その日にちのズレから、質屋で巻き起こる爆笑新作落語。約30分。
つぎも志の輔だが着替えの間、松永鉄九郎が登場し三味線・長唄。
右の人が松永鉄九郎
オレンジの着物に着替えて二席目は「モモリン」。
震災後の熊本公演でクマモンと会って感動したネタをまくらに
ゆるキャラブームを題材にした噺へ。
モモリンはある市のゆるキャラ。
モモリンフラッシュ!(バク転)が大受けして
ゆるキャラコンテストのランキング急上昇中。
コンテスト当日、控室で時間調整中の市長が
何気なくモモリンの着ぐるみを被ったら外れなくなってしまい
そのままステージに出る羽目になって大混乱…。
20時、15分間の中入り。
後半は鏡味初音の太神楽から。
初めてお目にかかるバランス芸の女性芸人。
飄々としてていい感じ。
太神楽の鏡味初音
三席目は濃紺の着物で「紺屋高尾」。
神田の紺屋(染物屋)で働く久蔵が吉原の花魁高尾に一目惚れし
3年間懸命に働いて給金を貯め、15両にぎりしめて会いに行く。
雲の上の花魁に会えて話すうち、自分は染物職人であることを明かす。
高尾は久蔵の誠実さに心を打たれ、その場で30両のお金を渡し
来年年期が明けるので結婚しようと約束する、夢のような幸せ者の噺。
みなさまにとっても今年が良い年でありますように…というオチで
最後に三本締めでお開き。
クリアファイルが公演のおみやげ
あっという間の3時間10分。
22:50までに東京駅に着かなければバスで帰れない。
アルコール抜きで急いで駅に向かい、21:50に関内を出発。
23:00発の高速バス最終便で1時に家に到着。ふ〜。
平日の横浜での落語会はやっぱりちょっと無理があるなぁ…。
田舎暮らしのハンディを痛感したイナゲでした。